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拡大する写真・図版縄が外れないよう固定しながら、菰を巻いていく「荷師」。結び目は全て、ほどけないように「男結び」にする=2020年8月31日午前、兵庫県尼崎市、滝沢美穂子撮影

祝賀会の鏡開きなどでおなじみの「菰樽」。この菰と縄をほぼ一手に生産する尼崎を、記者が訪ねた。

「まだまだ勝手に関西遺産」

「よいしょ、よいしょ、よいしょ!」。かけ声も威勢よく、振り下ろされる木づち。丸いフタが開き、杉の香が立ち上る。枡(ます)に注がれた振る舞い酒に、ほんのり赤くなった顔と顔――。杉樽(すぎだる)に、酒の銘柄や絵を刷り込んだ菰(こも)を巻いて縄で締めた「菰樽」は結婚式や祝典の鏡開きで、おなじみだ。こうした菰のほとんどを兵庫県尼崎市の2社が作っていると聞いた。日本酒好きの血が騒いだ。

 向かったのは、阪急塚口駅から歩いて約5分の岸本吉二商店。かつては兵庫県内を中心に10軒近い同業者がいたが、需要の減少などもあり、1990年代以降、店をたたんでいったという。早速、社長の岸本敏裕さん(59)に工程を見せてもらう。

 まず、麻糸を張った半自動織機にワラを1本ずつ入れ、菰を織っていく。今では樹脂製が主流だが「ワラにこだわる蔵元さんもいらっしゃいます」と岸本さん。最も大きい四斗樽(しとだる)用には約90センチの丈が必要だ。背の高い山田錦を作っている神戸市などの農家に頼み、社員が稲刈りをし、材料となるワラを確保している。

 続いて、下地剤を塗った菰に、…

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