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 中朝関係が悪化していた6年前から「改修のため」として閉館していた中国・遼寧省丹東市の朝鮮戦争(1950~53年)の記念館の一般開放が20日、再開された。米軍などを相手に同戦争で共闘した両国の関係は「血の同盟」とも呼ばれ、中国政府は同館を国の重要施設と位置づけてきた。開戦から70年にあたる今年、米国との対立が深まる中で、改善した北朝鮮との関係を改めて印象づける狙いがありそうだ。

 再開されたのは「抗美援朝記念館」。米国(中国語で美国)に対抗し、北朝鮮を支援した朝鮮戦争について展示する。18万2千平方メートルの敷地内に新築された施設は、旧施設の4倍の広さとなった。朝鮮戦争時の武器や資料などの展示物や、屋外の広場に置かれた戦車や戦闘機の数も大幅に増え、開館時間の午前9時から多くの予約客が詰めかけて列をつくった。

 同館は58年に開館。93年に市内で移転した時には鄧小平氏が高さ53メートルの記念塔の題字を、国家主席だった江沢民氏が揮毫(きごう)をそれぞれ寄せ、式典に次世代の最高指導者候補と目されていた胡錦濤氏が出席するなど重要視されてきた。

 だが、北朝鮮による弾道ミサイル発射や核実験の影響で両国関係が冷え込んだ2014年末に「改修する」として閉館した。金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長が訪中するなど関係が改善した18年には改修がほぼ終わり、学生の研修などは受け入れていたが、一般開放は見送られていた。

 10月には中国人民義勇軍が朝鮮戦争に参戦した記念日が控えており、中国国内では記念映画が撮影されるなど朝鮮戦争を振り返る動きが盛んになっている。(丹東=平井良和)