拡大する写真・図版北京大学のマイケル・ペティス教授=本人提供

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 「貿易戦争とは、階級闘争である」。そんな題名の新著で注目される米国の経済学者がいま、中国にいる。米国と中国などとの間で続く貿易摩擦の根底には、各国の内部で広がる経済格差がある、という主張だ。どういうことか。米シンクタンク研究員で北京大学教授のマイケル・ペティス氏に聞いた。(聞き手・青山直篤=ワシントン)

 ――貿易戦争が階級闘争である、とは、どういうことですか。

 「いまの世界経済は、各国が国内の働き手の賃金を競って引き下げ、輸出競争力を高め、貿易黒字を稼ごうとするという構造です」

 「米中貿易摩擦で考えてみましょう。中国が貿易黒字になるのは米国より生産性が高いからではなく、賃金の伸びが低く抑えられてきたためです。中国人労働者に犠牲を強いているわけですが、重要なのは、中国からの輸入は米国の賃金水準への引き下げ圧力となって、米国の労働者も苦しめているということです」

拡大する写真・図版1月15日、制裁関税の応酬を伴う激しい米中貿易摩擦を経て、ホワイトハウスで「第1段階」の合意に至ったトランプ大統領(手前右)と中国の劉鶴副首相=ワシントン、ランハム裕子撮影

 国内の「階級闘争」に注目するペティス教授に、米中の貿易摩擦だけでなく、貿易大国ドイツの状況や新型コロナの影響など、グローバル経済の構造と問題点を尋ねます。

 ――米中の労働者層がどちらも「敗者」なら、「勝者」は誰でしょう。

 「中国では、低賃金という労働…

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