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 オンラインでしか行けないなら、思い切った場所に行ってみよう。韓国の学生や社会人ら79人が「訪れた」のは、原発事故からの復興の取り組みが進む福島県だった。近年、日韓関係は悪化しているが、草の根交流を通じ、互いの理解を深める市民たちもいる。(編集委員・牧野愛博)

 日韓文化交流基金が新型コロナウイルスの感染拡大を受けて企画した「日韓交流オンライン訪日団」。8月末から計5回、毎土曜日に韓国人79人と日本人34人がオンライン上で交流する。福島への「訪問」は、東日本大震災からの復興現場を感じてもらう狙いだ。

 12日昼過ぎ、カメラの向こうの訪日団を案内したのは、福島大3年の大越歩美さん(20)と斎藤里咲さん(20)。JR福島駅前の人気食堂や駅ビルなどを紹介した。コロナの影響で、大越さんは韓国留学を半年早く切り上げて今春に帰国。8月に留学予定だった斎藤さんは渡韓のめどが立たない。ガイド募集に応じた2人は、「ありのままの福島を知って欲しかった」と口をそろえる。

「百聞は一見にしかず」 韓国にも

 駅近くの福島県観光物産館で、はっぴ姿の桜田武館長(50)は地元産の米やヨーグルト、日本酒などを紹介。名産の白身魚メヒカリを手に取り、「おいしいんですよ」とカメラに向けてアピールした。

 桜田さんは昨年7月、成田空港に向かう京成線沿線の物産展に出品した際、1週間で福島産の果物や野菜など計1200万円を売り上げた。客の多くは外国人でも、返品されたのは2人だけだった。桜田さんは「風評被害に負けない。安全はもちろん、自信を持っておいしさを伝えたい」と語る。

 福島市を拠点に日韓の民間交流を進めてきたNPO法人「ふくかんねっと」の鄭鉉淑(チョンヒョンスク)理事長(59)は、福島市で生きる苦労と素晴らしさを訪日団に訴えた。

 鄭さんは1984年に来日し、2000年から同市で暮らす。交流事業で日本に連れてきた韓国人は600人を超える。一部の韓国人からは「韓国人をだまして死の街に連れて行く女」と非難された。事業への反発を受け、土壇場で訪日の大量キャンセルに遭ったこともある。

 訪日団に参加した韓国人の女性…

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