拡大する当時のことを書き残した資料を見返す通信関係の元会社員の男性
「女性から体を触られた」「女性との経験がないことを会社で言いふらされた」――。男性が被害にあうセクハラの実態を知って欲しいという声が「#ニュース4U」取材班に寄せられた。
関西で福祉関係の施設に勤めていた男性(45)は2年ほど前、上司らとの日々の雑談で、未婚の理由や性欲への対処方法などについてよく聞かれたという。小さな職場でそばには女性の部下もおり、男性は「機嫌を損ねないようにするのに必死で、『縁がないんです』と笑ってその場をやり過ごしたが、苦痛だった」と振り返る。
男性によると、女性の上司に「しつこく交際を迫られた」といい、仕事で一緒に車に乗ると、下の名前で呼ばれたり、体を触られたりした。仕事相手に呼び出されて家に行くと、その上司がおり、仕事相手に「お似合いだから付き合えば」と言われたこともあった。「無理です。申し訳ありません」と逃げるように帰宅。携帯電話の着信を拒否し、連絡を絶ったという。「自分にとっては上司。断るのは簡単ではなかった」と話す。
うつ病が悪化し就職して1年足らずで退職。過敏性腸症候群になっていたこともわかった。実家で療養している。社会復帰を考えているが、「また同じことがあるのではないか」という恐怖が拭えないという。
「『男が被害に遭うなんて情けない』というプライドがあって相談できなかった。逃げることも時には必要。そうしないと自分が壊れてしまう」。男性が「被害」を言い出すのが難しい背景には「被害者は女性」という風潮や思い込みがあると感じる。
また、大阪府の別の会社員男性(34)は、女性との性体験がないことを上司に言いふらされたり、仕事仲間から性風俗に誘われたり、「体毛が濃い」とからかわれたりした経験があるという。「セクハラだ」と伝えても、「同性同士はセクハラにならない」と開き直られた。「傷つけている意識が全くない。悪気がないからこそしんどい。怒っても変わらないので、本気で受けとらないようにしている。何とか耐えている」
女性上司に連れていかれた店で嫌な思いをした人もいた。
都内に住む通信関係の元会社員の男性(36)が、転職して間もない2014年末、仕事の打ち上げ後に初めて訪れたバーでのこと。
男性によると、みんなで机を囲…
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朝日新聞社会部