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 岐阜県大垣市で2016年5月、生後3カ月の長男(4)を揺さぶり脳などに重い後遺症を伴う傷害を負わせたとして、傷害罪に問われた母親の浅野明音被告(27)に対する判決公判が25日、岐阜地裁であった。出口博章裁判長は「傷害はソファからの落下で生じた可能性を否定できない」と述べ、無罪(求刑懲役5年)を言い渡した。

 長男には、暴力的な揺さぶりがあったことを示すとされる「乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)」の典型的な3症状があり、暴行があったかどうかが争点だった。

 判決は、3症状である「硬膜下血腫」「網膜出血」「脳浮腫」のうち、硬膜下血腫はソファからの落下で生じた可能性を否定しきれないと判断した。長男が寝ていたソファの座面の高さは床から約35センチで、床には厚さ約1センチのじゅうたんが敷かれていた。脳浮腫と網膜出血については、落下後の心肺停止や低酸素脳症の発症などで引き起こされた可能性が否定できないとして、「長男の傷害が揺さぶり行為によって生じたと認めるには合理的な疑いが残る」と結論づけた。

 出口裁判長は最後に「事件が起きてから4年以上の間、不安な気持ちで過ごされてご苦労があったとお察しします。裁判が長くかかってしまい申し訳ないと思っています。これからは家族との時間を大切に過ごしてほしいと思います」と言葉をかけた。

 浅野被告は判決を受け、「息子のけがの原因はソファからの落下でした。なんであの日、目を離したんだと自分で自分に怒りをぶつける日々です」「逮捕、起訴は不当だったということになります。時間を返してほしい」などと弁護士を通じてコメントした。

 SBSの認定が争点となった刑事事件では近年、無罪判決が相次いでいる。(松山紫乃)