拡大する写真・図版片手では震えるため、ワインボトルは両手に持ってグラスへ注ぐ=横浜市

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 「治療のため休業致します。命に関わることではないのでご安心下さい。でも治療のため坊主頭になります。怖がらないで下さい」

 1月下旬、東急東横線の大倉山駅(横浜市)から歩いてすぐのイタリア料理店「RE(レ)VE(ベ)L(ル)」の入り口には、臨時休業を知らせる1枚の貼り紙があった。

 この店のオーナーシェフの和田拓也(わだたくや)さん(44)は翌週、小さいころから悩んできた原因不明の病気の治療を控えていた。

 「いろいろできて器用なほう」。幼なじみの妻、千晶(ちあき)さん(44)は言う。手際よく料理する和田さんだが、ドリンクをテーブルに運んだり、細かい盛り付けをしたりするのは苦手だ。これには、幼いころから続く、原因不明の手の震えが関係している。

「震えが壁に」

 小学校高学年で友達から指摘され、症状を自覚した。思春期を迎えると、人前に出るのが嫌になった。カラオケも嫌だった。「あがり症による震えかな」。当時はそう思っていた。

 大人になっても手の震えは続いた。「何かを選択するとき、震えが壁になってきた」。学生時代のアルバイトは細かい作業が多いものより、力仕事が中心の職場を選ぶようになった。

 大学卒業後、神奈川県内で自動車販売の仕事についた。大勢の人の前に立つのは苦手だが、話す機会が多い接客業は好きだった。契約書を書くときに手が震えることはあったが、力を入れ、腕の使い方を工夫すれば抑えられる。そんなコツも身につけた。

もしかしたら…

 2004年、飲食業へと転身した。

拡大する写真・図版和田さんがつくったパスタとサラダ=横浜市

 「店も始めたし、このまま震え続けるのは困る」と、心療内科を受診した。極度のあがり症か、メンタル面が関係しているのか。いろいろと思いは巡ったが、医師から納得のいく説明が返ってくることはなかった。

 千晶さんの姉にも相談した。医師として働く姉の説明を聞くうちに、ひとつの病名が浮かんできた。「もしかしたら、本態性振戦かも」

 震えは、医学的には振戦と呼ば…

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