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 その発言は、当時官房長官だった菅義偉首相から唐突に飛び出した。自民党総裁選への出馬を表明した2日の記者会見で、大規模な金融緩和を続けるかどうかを問われたときのことだ。わざわざ本題から少し外れた地方銀行の話に触れると、「将来的には数が多すぎるのではないかと思っている」と持論を披露した。

 「スガ・ショックだ」。出馬会見でやり玉にあがるとは思ってもいなかった地銀の間に戸惑いが広がった。「菅氏は地銀再編を進めるつもりなのか」。真意を確かめようと、西日本のある地銀では、東京・霞が関で当局の対応にあたる行員に情報収集を急がせた。

 業界の不安をよそに、菅氏はすぐに動いた。菅氏と親しいことで知られるSBIホールディングスの北尾吉孝社長は出馬会見の翌日、菅氏からSBIが進める「地銀連合構想」の取り組みを続けるよう要請されたという。SBIはすでに島根銀行など4行に出資し、地銀再編を仕掛けている。「(地銀は)過去の栄光、成功の上にあぐらをかくのではなしに、未来をどう作っていくかだ」。北尾氏は菅氏と呼応するように2日の講演でそう訴えた。

 「過去の栄光」とは何か。かつては「護送船団方式」と呼ばれる当局主導の「横並び」経営で競争もない。地銀は地元の優良企業にお金を貸しておけば、日本経済の発展とともに成長でき、どこでも地元の盟主だった。だが、金融自由化とバブル崩壊で競争は激しくなり、地方の人口減で市場は縮小。大規模な金融緩和で低金利が常態化し、地銀の利息収入はしぼんでいった。2020年3月期の地銀全体の業績は4年連続で減益。最終赤字を計上する地銀も増えてきた。

 それでも再編の動きは鈍い。バ…

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