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 淡路島の由良港(兵庫県洲本市)で見つかったエビ2匹が新種とわかり、学術誌に論文が掲載された。エビを捕まえたのは、地元の環境保護グループのメンバーら。テレビ番組で見た「沈没船の財宝探し」の手法をヒントに開発した装置で捕獲したという。

 新種のエビは淡路島にちなみ、「アワジオトヒメテッポウエビ」と「アワジスナシャコエビ」と名付けられた。いずれも体長2、3センチの小型のエビ。殻は半透明で内臓が浮き出て見える。

 エビの分類に詳しい千葉県立中央博物館の駒井智幸・動物学研究科長が、形態などの特徴から新種と断定。ニュージーランドの学術誌「ズータクサ」に論文が7月28日付と9月17日付で掲載された。2種はともに、海底の泥に巣穴を掘って生活していると考えられるという。

 由良港沖に浮かぶ無人島「成ケ島」の自然保護に取り組む「国立公園成ケ島を美しくする会」のメンバーや専門家らが2年前の春、由良港の水深4~8メートルの海底の生物調査を実施した。

「本当に新種が見つかるとは」

 漁船のコンプレッサーで圧縮した空気をパイプを通して海底に送り込む装置を使い、泡と一緒に舞い上がった泥を目の細かい袋状の網で回収。海中から引き上げた泥の中を丹念に調べた結果、見慣れない2種類のエビを見つけたという。

 この装置は、会の代表の花野晃一さん(76)が、テレビ番組で海底の沈没船に空気を送り込んで泥を取り除き、財宝を探し出す場面をヒントに考案した。空気の泡を使うため、泥の中に潜む生き物を傷つけずに採集できるのが特徴という。

 花野さんは「これまでも甲殻類や貝類などたくさんの生き物を見つけてきたが、本当に新種が見つかるとは。淡路の名を冠したエビは島の宝です」と喜んでいる。(吉田博行)