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 政府は25日、消費喚起策「Go Toキャンペーン」を10月以降、拡大する方針を決めた。感染症や経済の専門家らでつくる新型コロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂会長)で方針を説明し、了承された。また政府は、全世界からの外国人の入国受け入れを10月1日から一部再開することも決めた。

 消費喚起策と「水際対策」の緩和により、国内外で人の往来が増える。感染拡大が再び進む恐れもあり、分科会は状況が悪化した地域は消費喚起策の対象から外すことなどを政府側に提言した。高齢者やコロナ患者に対応する医療従事者らを優先するなどとした新型コロナのワクチンの接種についての政府の中間とりまとめ案も大筋了承した。

 消費喚起策は10月以降、4種類の事業が出そろう。コンサートやスポーツイベント、演劇、博物館などのチケット購入代金が1回あたり2千円を上限に割引される「Go To イベント」と、商店街に集客イベント費用を300万円まで補助する「Go To 商店街」は、10月中旬に始める。

 飲食業支援策「Go To イート」でも10月1日にネット予約した飲食に対するポイント還元が始まる。7月に始まった観光支援策「Go Toトラベル」は、東京都民や都内への旅行を10月1日から対象に加える。新型コロナ対応を担当する西村康稔経済再生相は25日の記者会見で「分科会の提言を踏まえて感染防止策を徹底し、キャンペーンは進めていく」と話した。

 分科会の提言は、今後人の往来が増えることを見据え、注意点などをまとめたものだ。感染が拡大している都道府県については、対象から除外することなどを「ちゅうちょなく行っていただきたい」と注文。年末年始を控え、観光客が集中して「密」となることを避けるため、少人数やオフシーズンの旅を消費者が選ぶための「強力なインセンティブを伴う施策」を打ち出すことも求めた。

 政府は分科会後、菅内閣で初めてとなる対策本部を開いた。菅義偉首相は「経済再生のためには国際的な人の往来の再開が不可欠だ」と強調。持ち回り形式で開いた国家安全保障会議(NSC)の緊急事態大臣会合で、全世界からの入国緩和を決めた。

 159カ国・地域に対して実施している入国拒否措置は維持しつつ、例外を拡大。全世界から「医療」「教育」「文化活動」「家族滞在」など全ての中長期(3カ月以上)の在留資格の入国を認める。「短期滞在」も一部受け入れるが、観光客は認めない。入国枠は最大で「1日1千人」程度とする方針だ。

 先行してビジネス往来の再開を交渉してきた16カ国・地域でも同様に、対象となる在留資格をビジネス関係以外に広げる。感染状況が落ち着いているため、別に「1日1600人」程度の入国枠を設け、優先的に受け入れを進める。これらの枠内で留学生の入国は全面解禁する。(中田絢子、二階堂友紀、新宅あゆみ)