【動画】絶滅危惧種のシロチドリ 懸命の擬傷行為で卵やヒナ守る=笠原雅俊撮影
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 サーファーでにぎわう高知県黒潮町の入野海岸一帯に、小さなシロチドリの群れが生息している。親鳥が巣の卵やヒナを天敵などから守るため、傷ついたふりをする「擬傷(ぎしょう)行為」を撮影した。

 シロチドリは体長は15センチほどで背は灰褐色で腹は白い。砂浜や河川敷で生息し、3~7月の間に繁殖する。同町では「町鳥」とされ、名勝・入野松原が広がる入野海岸一帯で確認されている。環境省の絶滅危惧Ⅱ類、県では準絶滅危惧に指定されている。

 5月12日早朝、入野海岸の砂浜を歩いていると、「ピルピルピル」という鳴き声が聞こえた。小さな影がチョコチョコと走る。シロチドリだ。懸命に翼をばたつかせて飛べないようなしぐさをする。「けがをしているのか」と思って見ているとまた走り出した。2羽が別の場所で、その行動を何度か繰り返した。

 「擬傷行為です。近くにある巣のヒナや卵から、人や天敵を遠ざけるためです」。高知野鳥の会の有田修大会長(70)は話す。シロチドリは入野海岸で年間を通じて生息している「留鳥」。2015年に70羽、16年には47羽が確認されたという。

 だが今年は約30羽にとどまった。砂浜が減少したり、カラスやヘビ、犬などの天敵に襲われたりしたためらしい。有田さんは「卵や巣を親鳥が放棄しないように、巣を見つけても近づかないでそっと温かく見守ってください」と呼びかけている。

 県サーフィン連盟会長の新谷信行さん(61)は擬傷行為をする2羽の近くの砂浜の巣に3個の卵があることを教えてくれた。「かわいい町の鳥だから注意して遠くから見ています」と話す。(笠原雅俊)