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 日本動物園水族館協会(JAZA)が、和歌山県太地町の追い込み漁で捕られたイルカの購入を加盟する園館に禁止してから、今年で5年。購入禁止を受けて、協会を脱退する水族館も増えている。イルカショーが目玉の青森県営浅虫水族館(青森市)も昨年、JAZAを脱退した。背景には何があったのか。

追い込み漁を問題視

 浅虫水族館がJAZAを脱退したのは昨年2月28日。太田守信館長によると、JAZAが2015年に決定した、太地町からのイルカの購入禁止が背景にあるという。

 1983年に開館した浅虫水族館は、初めに飼育していたバンドウイルカ8頭を含めて、これまでに、同町からイルカの購入を続けてきた。

 ところが、2015年4月、追い込み漁を問題視した世界動物園水族館協会(WAZA、本部スイス)がJAZAに対し、追い込み漁で捕獲したイルカの購入をやめなければ追放処分にすると通告。JAZAは加盟する園館による投票の末に、購入禁止を決めた。

 この決定の後、浅虫水族館は記者会見を開き、今後はイルカの館内繁殖をめざす意向を表明した。太田館長は「あのときは飼育するイルカに余裕があったが、その後にさまざまな問題が見えてきた」と、当時を振り返る。

 問題の一つに、繁殖の難しさがあるという。

 浅虫水族館では1989年から94年まで、9例の自然繁殖が確認された。しかし、うち5頭は死産。ほかの4頭には7年生きたイルカもいたが、生まれてすぐに水中でおぼれて死んだイルカもいた。

 今月12日には、バンドウイルカの「りんご」が館内のイルカでは26年ぶりに出産したが、死産だった。

 自然繁殖に成功しても、生まれて元気に育つ確率は高くはない。メスのバンドウイルカの「さくら」が昨年病気で死んで、館内のイルカはバンドウイルカ4頭、カマイルカ5頭の計9頭となった。「今後もイルカを購入しなければ、ショー以前にイルカの飼育や展示ができなくなる可能性もある」と太田館長は懸念する。

 繁殖を目的として園館同士でイ…

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