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 東日本大震災の津波が迫るなか、児童ら90人が屋根裏部屋に避難して助かった宮城県山元町の旧中浜小学校が26日、震災遺構として一般公開された。記念の式典には当時の児童や教員も参加し、身を寄せ合った一夜に思いをはせた。

 旧中浜小は海岸から約400メートルにある2階建てで、震災時には高さ約10メートルの2階天井付近まで浸水。児童や教員、地元住民ら90人は、校長だった井上剛さん(63)の指示で屋上の屋根裏部屋に避難して無事だった。井上さんは式典で講演し、「屋上に立つことで当時の人の思いに触れ、備えるべきことは何かを考えることができる」と話した。

 来場者は、校舎1階のホールに積み上げられたがれきや、屋根裏部屋で寒さをしのぐために使ったブルーシートや模造紙の切れ端を見て回った。

 当時5年生だった根元夏奈さん(21)は震災後、初めて校舎内に入ったという。「当時暗くて見えなかった屋根裏をまじまじと見て、『ありがとう』と思った。幅広い世代が気軽に来られる場所になってほしい」。福島県新地町から訪れた寺島としこさん(82)は「寒さや恐怖に耐えて一晩を過ごした子どもの思いが伝わり、涙が出そうだった」と話した。(申知仁)