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 菅義偉首相は26日、就任後初めて、東日本大震災で被災した福島県を訪れた。東京電力福島第一原発にたまり続けている処理済み汚染水の処分方法を決める時期について視察後、記者団に問われたが「できるだけ早く政府として責任もって処分方針を決めたい」と述べるにとどめた。

 経済産業省によると、菅氏が同原発に入るのは震災後初めて。廃炉となった1~4号機などを視察し、東電幹部らに「大変な作業だと思うが、安全、着実に行っていただきたい。国も今まで通り前面に出て全力で取り組んでいきたい」と話した。汚染水が入った容器を手渡され、希釈すれば飲めるとの説明を受けて、「飲んでもいいの?」と聞き返す場面もあった。

 震災の教訓を伝えるため、20日に開館した「東日本大震災・原子力災害伝承館」と、震災後に開校した中高一貫校の県立ふたば未来学園も訪れた。

 汚染水の処分方法は、海洋放出か大気放出の二つに絞られているが、地元でも意見が分かれている。首相は「政府の責任の下に丁寧に説明する中で決断、方針を決めていきたい」と語った。就任前の自民党総裁選の際には「最終的判断をもうする時期だ」との認識を示している。

 16日の初閣議で決めた菅内閣の基本方針では、震災からの復興に関する記述がなかった。記者団に問われた首相は「福島の復興なくして東北の復興なし。東北の復興なくして日本再生なし。私の内閣の基本方針だ」と強調。全閣僚に同日渡した指示書にも記載があると説明した。(菅原普)