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 大相撲秋場所(東京・国技館)千秋楽の27日、東関脇正代(28)=本名・正代直也、熊本県宇土市出身、時津風部屋=が13勝2敗で初優勝し、場所後の大関昇進を確実にした。

 正代は単独首位で迎えたこの日、新入幕で東前頭14枚目の翔猿を退け、1909(明治42)年夏場所で優勝制度が設けられて以降、熊本県出身の力士として初めて優勝した。

 秋場所は「稽古はウソをつかない」との格言が証明されたと思う。

 初優勝した正代は春場所前まで白鵬や鶴竜、照ノ富士らが彼を目当てに時津風部屋に出稽古していた。その相手を務める中で地力を蓄え、弱点の立ち合いを磨いて栄冠をつかんだ。

 千秋楽まで優勝を争った翔猿は、関取最多7人を擁する追手風部屋所属。出稽古が禁止された中でも十分な稽古が出来たのだろう。活躍した若隆景や隆の勝らも稽古熱心で知られる。

 だが、そんな一部の力士を除くと、今場所は全体的に土俵内容の薄さが気になった。淡泊さが目立ち、攻防のある勝負が少なかったように思う。さらに、出場停止や、部屋の集団感染で出場を見送った力士がいたにせよ、2横綱を筆頭に13人も関取が休場したことも見逃せない。

 原因はやはり稽古不足だと思う。昭和、平成の時代の話をすると恐縮だが、昔は1日100番近く稽古する力士もよくいて、たまに稽古が不足しても、積み重ねた「貯金」を感じた。今はいつも目の前の帳尻を合わせている感じで、蓄えを思わせる者が少ない。

 コロナ禍の中で3場所目。稽古をしっかりこなした力士が勝ちに近づくのは変わりない。(竹園隆浩)