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 はがきに水彩画を描き、一言添える「絵手紙」を、一人暮らしのお年寄りに送るボランティア活動に取り組んでいるサークルが佐賀県基山町にある。新型コロナウイルスの影響で制約があった今春も、「こんな時だからこそ」と感染防止策をとって活動を続けた。

 町内の酒販店「酒ブティック丸久」の3階にあるイベントスペースに毎週1回、40~90代の男女十数人が集う。絵の題材になる季節の花や野菜、果物はメンバーが持ち寄る。代表の柴尾千恵子さん(74)は、いまが旬のオクラの絵に、新型コロナを意識して、筆文字で「みんな声かけ合ってのり切ろう」と添えた。

 町内に住む一人暮らしのお年寄りは約480人。描いた絵手紙は町社会福祉協議会に持ち込まれ、年賀状や季節の便りとして、お年寄りたちに届けられる。受け取った人たちからは「色とりどりの便りをもらうと華やいだ気分になる」と、喜びの声が寄せられているという。

 柴尾さんが絵手紙と出会ったのは1997年、基山郵便局の呼びかけで講習を受けた時だった。「小さなはがきという枠の中で、目いっぱい自分を表現できる」。もともと書道の心得のあった柴尾さんは、そんな魅力のとりこになり、絵画を本格的に習い始めた。「講習でいただいた種を大事に育てよう」と、絵手紙サークルを始めて20年余り。お年寄りに送るボランティアはここ10年続けているという。

 新型コロナの緊急事態宣言が出た4月、サークルの集まりを休止することも考えた。でも「こんな時だからこそ、お年寄りたちは普段にも増して絵手紙を待っているはず」と柴尾さん。持病を持っているメンバーには個々人の判断で休んでもらうなど、感染予防に万全を期しながら続けることを選んだ。

 知人に出すものとボランティアの分を合わせて年に600枚も描くという柴尾さん。絵手紙を描くうえでのポイントは「誰に出すか、あらかじめ決めてから描くと、イメージが膨らみやすい」。(大野博)

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