[PR]

 熊本県出身力士が初めて賜杯(しはい)を手にした。関脇正代(28)が大相撲秋場所で優勝を決めた27日、地元の宇土市ではパブリックビューイングが開かれ、喜びの渦に包まれた。

 地元後援会長の金田光生さん(68)は、正代から贈られたという生地で作ったマスクを着けて応援した。後援会結成からちょうど1年の節目での優勝に、「こんな素晴らしい成績を残してくれてありがたい。応援してよかった」と胸をなで下ろした。大関昇進も確実視される中、「絶対に横綱になってもらって地元の皆さんに夢を与えてほしい」と更なる高みに期待を寄せた。

 最前列で取組を見守った元松茂樹・宇土市長は県出身力士として初優勝を飾ったことについて、「宇土は相撲が盛んだが、プロで結果を残した力士は多くなかった。正代は殻を突き破ってくれた」と健闘をたたえた。その上で「優勝してくれたことで、ひどい水害を受けた県南をはじめ、県民に元気を与えてくれた」と話した。

 「正代」「初優勝」と書いたボードを掲げ、まわし姿で声援を送っていたのは宇土少年相撲クラブの子どもたち。宇土小学校の大手星来(せら)君(4年)は、初優勝の場面を見て「やっぱり正代関は強いな」と憧れを強くした。「押されても押し返す相撲を自分もできるようになりたい。正代関のように大相撲で優勝するのが夢」と目を輝かせた。

 蒲島郁夫知事は27日、正代の優勝を受けてコメントを発表。その中で熊本地震や新型コロナウイルス感染症、豪雨災害と相次いだ「困難」に言及し、「正代関の最後まで諦めず正面から力強く立ち向かっていく雄姿に、多くの県民が勇気づけられました。相撲界、そして熊本のスポーツ界の歴史に金字塔を打ち立てられた正代関の今後のさらなる活躍を期待しています」と熊本県初の優勝力士の誕生を祝福した。(井岡諒)