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 新党の結成に伴う立憲民主党の県総支部連合会の設立大会が27日、宇都宮市内のホテルで開かれた。代表選が自民党総裁選と日程が重なって影が薄れ、県でも国民民主党の議員が合流せずに無所属となるなど、新党は順風満帆とは言い難いが、知事選や宇都宮市長選、年内にも予想される衆院選で、存在感を示せるか。

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 設立大会は衆院選の「必勝集会」と合わせて行われ、党の議員や支援者ら約250人が参加した。

 県連代表に選出された福田昭夫衆院議員(72)は、あいさつで格差社会の解消について語り、「選挙で勝つことが大切。勝って政権交代しなければ、いくら良いことを言っても実現できない」と力説した。

 各選挙区の候補予定者となっている1区渡辺典喜氏(37)、2区福田氏、3区伊賀央氏(56)、4区藤岡隆雄氏(43)の総支部長が登壇し、おのおのが決意表明を行った。

 県連は既に衆院選に向けた県内の野党各党との協議をスタートさせている。

 大会記念講演を行った党本部の江田憲司代表代行(64)は、大会後の取材で、候補予定者が決まっていない5区について、「県連から擁立を検討中と聞いており、まず県連の努力を待ちたい。党本部は政権交代を目指す政党として、立憲を含む野党の候補者を立てなければいけないというのが方針」と述べた。総選挙の時期は「野党として最速を想定すれば、10月下旬冒頭解散も含めて、準備を進めていかなければいけない」と話した。

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 スタートを切った立憲県連にとって、衆院選のほかに試金石になるのが、11月15日投開票の県知事選、宇都宮市長選だ。

 知事選は元NHK宇都宮放送局長の田野辺隆男氏(60)を支援することを決め、基本理念をまとめた申入書を野党各党の連名で提出している。幅広い支持を得ようとしている田野辺氏側が、政党の色がつくことを避けている状況で、どのような活動ができるのか。これまでの選挙とは違った対応が求められている。

 宇都宮市長選については最終的な姿勢はまだ明らかにしていないが、立候補の意思を表明した「宇都宮市のLRT問題連絡会」の共同代表で弁護士の須藤博氏(76)を支援する方向にいくことが予想される。過去の同連絡会の集会では立憲の議員が講演するなど、両者は以前から良好な関係を築いており、方針が決まればスムーズに進むとみられる。

 どちらの選挙にも現時点で、独自の候補者を擁立していない。立憲を支援する労組の関係者は「知事も市長もこれまで大きな非がない。政策で明確な対立軸がなく、攻めどころがない」と、この首長選で候補者を立てる難しさを説明した。「新型コロナウイルスの影響で、県民は安定を求めている。命と生活を守る取り組みを訴えていく」。

 宇都宮大地域デザイン科学部の中村祐司教授(政治学)は「国政レベルで野党の存在感が薄く、県でも同じ状況になっている」。最近の学生は小中学生時代から首相は安倍晋三氏だけだったため、与党を高評価し、野党は「文句ばっかり言っている」とみるような傾向を感じるという。

 中村教授は、支持率が下がっていた安倍政権を引き継いだ菅義偉・新首相の支持率が上昇した背景を「理より情」が上回った結果とみる。野党側は「地道に政策を訴えていくしかない」と話した。(津布楽洋一)