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 ロシアの反政権活動家アレクセイ・ナバリヌイ氏が飛行機の機内で意識を失い重体となった事件で、ドイツ政府がこのほど、神経剤「ノビチョク」系の毒物が用いられていたことが分かったと発表しました。「ノビチョク」は2年前に英国で起きたロシアの元スパイらの暗殺未遂事件でも使われています。この毒物はいったいどれほど危険なのか。松本サリン事件で被害者の治療にあたり、神経剤に詳しい富山大学の奥寺敬教授(救急・災害医学)に聞きました。

 ――ノビチョクとはどんな毒物ですか。

 ノビチョクは有機リン系の神経剤です。簡単に言うと、すごく強い農薬です。サリンもVXも同じ有機リン系ですが、ノビチョクは安全に持ち運びできるように開発された「第4世代」の化学兵器です。

 ――化学兵器に「世代」があるのですか。

 第1次世界大戦ではマスタード、ホスゲン、塩素が使われました。マスタードは農薬、ホスゲンは合成樹脂、塩素は消毒剤の製造過程で出てきた、いわば副産物です。それが戦争に利用されました。化学兵器の第1世代と言えるでしょう。

 第2世代はサリンです。1938年にドイツで開発されましたが、第2次世界大戦では使われていません。毒性が強く、漏れ出てしまって被害が出る事故が多すぎたためです。

 第3世代は1952年にイギリスで合成されたVXなどの神経ガスです。マレーシアで2017年、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の兄、金正男(キムジョンナム)氏が暗殺された事件で使われました。

 サリンもVXも取り扱いが大変です。そのため、第4世代の開発で目標にされたとみられるのが、「バイナリー兵器」にすることです。バイナリー兵器とは、神経剤となる前段階の2種類の物質を隔離して持ち運び、使う直前に混ぜて使うものです。前段階の2種類は漏れ出ても無害なので、安全に持ち運びできます。ノビチョクはバイナリー化された第4世代とみられています。

 ――ノビチョクがどんなものか、詳しく分かっているのですか。

 1970年代初めから90年代…

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