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 「こんな検事もいるのか」。ジャーナリスト嶌信彦氏(78)はそう思った。

 2010年に発覚した証拠改ざん事件を受けて設置された法相の私的諮問機関「検察の在り方検討会議」。嶌氏は会議の委員だった。

 事務局に笑顔を絶やさず物腰のやわらかい男性がいた。法制度や法律をわかりやすく教えてくれた。後に東京高検検事長となる黒川弘務氏。会議で進行役などを務める法務官僚だった。

 法務官僚――。日本の検察官は立法にかかわる官僚の側面がある。

 桐蔭横浜大副学長の河合幹雄教授(法社会学)によれば、米国やフランスなどでは起訴や捜査権限の行使に限られる場合が多く、日本のように検察官が官僚と捜査官の「二面性」を持つのは世界でも珍しい。もともと検察は法務省の前身、司法省内の一組織だったが、戦後、法相が検事総長のみを指揮できる「独立の機関」となった成り立ちに由来するという。

 法務官僚として数々の法改正に携わった黒川氏。捜査官としても90年代の4大証券による利益供与事件などの捜査に加わった。法務省と検察庁との異動を繰り返し、近年官邸とやり取りが多い法務省官房長、法務官僚トップの事務次官を通算7年以上、経験した。

 「黒ちゃん」。国会議員から親…

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