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 同居していた男に暴行されて死亡した女性の娘2人が、犯罪被害者への国の給付金を申請したところ、大阪府公安委員会が支給しないと裁定した。親族間の犯罪は、給付金が加害者にわたるおそれなどから、原則として支給されない。府公安委は、男と女性が内縁関係にあり、親族にあたると判断した。

 2人は28日、裁定の取り消しを求める文書を国家公安委に送った。「母親は以前からDV(家庭内暴力)を受け、内縁関係は破綻(はたん)していた。男とつながりはなく、給付金がわたることもない」と訴えている。

 2人は、大阪府に住む長女(21)と次女(19)。母親の木下恵さん(当時40)は2018年6月、兵庫県姫路市内で同居していた男(42)から暴行を受け、死亡した。2人は母とは別居していた。

 男は傷害致死の罪に問われ、神戸地裁姫路支部は19年5月、「以前から繰り返し暴力を振るい、事件はDVが発展した側面を有する」として懲役6年の判決を言い渡し、確定した。

 2人は19年7月、府公安委に給付金の支給を申請。今年8月、「事実上婚姻関係と同様の事情にあった」として、不支給とする通知があった。

 給付金は近年、家庭内の暴力・虐待の社会問題化に伴い、支給対象が拡充されてきた。18年度からは、親族関係が事実上破綻していれば支給されるように。制度の改正にあたって警察庁の有識者検討会は17年、離婚調停中や暴力から逃れるための別居中の被害などを「破綻」の例に挙げている。

 2人の代理人の養父(ようふ)知美弁護士は、木下さんが日常的にDVを受ける一方、別れる決意をして転居先を探していたと指摘。「未成年で母を奪われた2人になぜ支給されないのか、理解に苦しむ」と話す。

 府公安委の事務を担う府警府民応接センターは「個別の事案には答えられない」としている。

加害男性からの賠償の見通しもなく

 2人は小学生のとき、両親が離婚し、父に引き取られた。母とは少なくとも月1回は買い物や食事をしてきた。長女は「よく笑う人で、無邪気な子どもみたい。かわいくて、笑顔が大好き。私にとっては世界一のママ」。次女は「同性だからこそ話せる話題も多かった。少ない時間でも大切に思ってくれているのがわかったし、会うのが楽しみだった」と言う。

 ただ、その場に母と同居していた男が来ることもあった。長女は「一言も話さず、見張っているみたいで不気味だった」と振り返る。

 判決や裁判記録によると、当日の深夜、連絡がとれないのを心配した母の友人が警察に通報した。母は友人に男からの暴力について相談し、「連絡がつかない時は警察を呼んでほしい」と頼んでいた。

 自宅ではその頃、男が母の顔を平手打ちしたり、股を蹴ったりしていた。髪の毛をつかみ、スマートフォンを頭に投げつける暴行も。警察官が訪ねた時、母はベッドの布団の中にいた。

 けがについて尋ねられた母は、…

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