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 松江城天守の国宝指定5周年を記念して、松江歴史館(松江市殿町)で11月15日まで、松江藩・松平家9代藩主、松平斉貴(なりたけ)の素顔を伝える企画展が開かれている。鷹(たか)狩りの奥義を窮め、西洋文化を積極的に採り入れるなどしたが、伝記もなく、あまり知られていなかった。収集品の一部の93点の展示だが、これほどの収集品を一堂に紹介するのは初めてという。

 「大名茶人」として知られる治郷(はるさと)(不昧(ふまい))の孫。治郷による藩財政立て直しが成功し、72年かけて斉貴の代で完済した。藩財政は潤いを見せ、「裕福な時代の殿様」とも言われたが、39歳で隠居するまでの31年間、藩政を主導した。

 わずか49歳で生涯を閉じるが、鷹狩りと関連書物の収集は群を抜く。宮内庁が所蔵する鷹に関する書物(鷹書)737点のうち、636点(86・3%)が松江藩からの寄贈。鷹狩り研究は、この書物を中心に進められて鷹狩りに関する基本図書になったという。

 会場には鷹のコーナーが設けられ、書物や絵図のほか、鷹狩りの際に使われた手袋のうち、8代将軍・徳川吉宗が用いて、その後に斉貴のものとなった「家宝」。成長とともに変わる鷹の目玉の変化を示した図や鷹をつなぐひもの結び方、鷹に与える水入れなど「マニアならでは」の貴重な資料が所狭しと並べられている。

 また、顔立ちが治郷に似ているという肖像画や金の糸で織った陣羽織、孝明天皇の即位の大礼に、将軍の名代(代理)として江戸から京都に上洛(じょうらく)した行列を描いた絵巻(全5巻、106メートル)の最終巻を紹介。

 西洋文化や科学への高い関心があったことをうかがわせる品として、360個集めた時計のうちのゼンマイが動力の卓上時計、地球儀なども展示している。

 企画した西島太郎学芸員(50)は「鷹狩りがどのようなものだったかや斉貴の人生を解明できる。科学などを学ばせるなどして、有能な家臣を育てることにも尽力した殿様を知ってもらえたら」と話す。

 開館は今月中が午前8時半から午後6時半、10・11月は午後5時まで。休館は10月15日。観覧料は大人600円、小中学生300円。問い合わせは松江歴史館(0852・32・1607)へ。(杉山匡史)

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