[PR]

 関西電力は28日、取締役会を初めて美浜町の原子力事業本部で開いた。榊原定征会長らと現地社員との意見交換会も開催。金品受領問題を受け、信頼回復への姿勢を示すとともに、風通しの良い企業風土に変えるという意思を社内外に伝える狙いがあると見られる。

 金品受領問題を調査した第三者委員会は「(原子力事業本部は)閉鎖的な村社会が形成されていた」と指摘。これを受け、関電は3月末に策定した業務改善計画で取締役会などの同本部での定期開催、経営陣と社員の対話の機会を設けることなどを盛り込んでいた。

 この日、社外取締役を含む取締役13人全員(1人はオンライン参加)が出席。会議冒頭で榊原会長は「現場の実態や課題への理解を深め、より実効性の高いガバナンス(企業統治)につなげたい」と述べた。

 その後、社外取締役らは同本部の幹部や中堅・若手社員ら計22人と懇談。「本当の意味で企業体質を変えるには、一人ひとりの倫理観や道徳観の醸成に力を入れる必要がある」「我々、原子力部門の仕事が一般の常識と遠くかけ離れた状態になっていないかということを考え、行動することで原子力部門の弱みを補う存在として活躍したい」などの意見が出たという。

 榊原会長は対話後、取材に応じ「意見交換を通し、現場の社員が信頼回復に向け真剣に取り組んでいることが分かった。今日出た問題提起を社外取締役の立場でしっかりと改革に生かしていきたい」と話した。40年超運転を目指す高浜原発1、2号機、美浜3号機の再稼働については「会社が真剣になって信頼回復、再発防止に取り組んでいる姿を地元の方に感じてもらうことが、(再稼働への)理解を促進することにプラスになる」と話した。

 一方、この日、県内外の市民で作る「老朽原発うごかすな!実行委員会」の約30人が同本部を訪れ、高浜1、2号機、美浜3号機の再稼働中止と廃炉などを求める申入書を榊原会長ら宛てに手渡した。(佐藤常敬)

関連ニュース