渡良瀬遊水地のコウノトリが負傷? 母鳥の「歌」
栃木、茨城、群馬、埼玉4県にまたがる渡良瀬遊水地で生息している国の天然記念物コウノトリの2歳のメス「歌」が、片脚を負傷している恐れがあることがわかった。
26日午後5時半ごろ、わたらせ未来基金の青木章彦さんが栃木県小山市の人工巣塔から飛び立つ「歌」を撮影したところ、片脚だけが垂れ下がったままになっていたという。青木さんは「東の方に向かって飛んでいったが、それ以来、姿を見ていない」と心配していた。
小山市渡良瀬遊水地ラムサール推進課員や日本野鳥の会栃木県支部のメンバーらが歌の行方を捜していたところ、28日午後、同市生井地区の田んぼで歌が見つかった。脚を負傷している様子だった。その後、人工巣塔で雄の「ひかる」(4歳)と一緒に居るところが確認された。市は県などの関係機関と保護の方法などを検討しているという。
5月末、「歌」とオスの「ひかる」との間に、「ゆう」と「わたる」の2羽のひなが生まれた。渡良瀬遊水地の周辺で、ヒナたちとエサを取りにいったりする姿が何度も確認されている。歌はヒナたちをかばう姿など母性の強さを見せてきた。(根岸敦生)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。