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 札幌市の池田詩梨(ことり)ちゃん(当時2)が昨年6月に衰弱死したとされる事件で、傷害致死と保護責任者遺棄致死の罪に問われた無職藤原一弥被告(25)の裁判員裁判が29日、札幌地裁で始まった。藤原被告は詩梨ちゃんの母親の池田莉菜被告(22)=保護責任者遺棄致死罪で起訴=の交際相手。藤原被告は「一切やっていない」などと起訴内容を否認し、無罪を主張した。

 検察側は冒頭陳述で、「自力で生存できない2歳児の生命を奪ったことは、極めて重大」と指摘した。

 起訴状によると、藤原被告は昨年5月上旬~6月5日ごろ、詩梨ちゃんと莉菜被告の3人で同居する部屋で、詩梨ちゃんの全身を殴ったり踏みつけたり、たばこの火を押しつけたりして、頭部骨折ややけどなどを負わせたとされる。さらに莉菜被告と共謀し、同年5月15日ごろから、詩梨ちゃんに十分な食事を与えず、けがの治療を受けさせないで放置し、多臓器不全を伴う低栄養状態に陥らせて衰弱死させたとされる。

 北海道警などによると、莉菜被告が同年6月5日早朝、119番通報して事件が発覚。発見時、詩梨ちゃんは心肺停止状態で、体重は平均的な同年代より少ない10キロ未満だったという。

 専門家らによる札幌市の検証部会は、詩梨ちゃんは1歳6カ月健診で極端な成長不良が見つかったが、担当者間で情報が共有されていなかったと指摘。市児童相談所への虐待通告は一昨年9月~昨年5月に計3回あったが、児相は昨年4月と5月の通告では母子と面会できなかった。その後、道警から「虐待が心配される状況はなかった」との報告を受け、児相は調査を終了した。検証部会は、道警との連携の不備を指摘していた。(榧場勇太)