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 来年度から公立小中学校の全学年を「30人学級」にした場合、教員を8万~9万人増やす必要がある――。文部科学省がそんな試算をまとめた。ただし、10年かけて段階的に移行すれば、少子化で生じる余剰人員などでほぼ対応できるとしている。文科省は来年度予算の概算要求に、金額を示さない「事項要求」として少人数学級の実現に向けた体制整備を盛り込んだ。

 義務教育標準法が規定する学級の人数の標準は小1で35人以下、小2~中3で40人以下。これを30人以下とした場合の試算では、今後10年間で公立小中学校の児童生徒は約100万人減り、それに伴い教員定数も減って約5万人の余剰人員が生じる。これに加えて、少人数指導や複数の教員による「チーム・ティーチング」などのためにすでに小中学校に追加配置している約3万人を活用すれば、実現が可能という。

 萩生田光一文科相は29日の閣議後会見で、試算について「毎年度新たに必要となる教職員定数は小さく、大きな財政負担はなく実現が可能だ」と述べ、財務省と議論しながら、少人数学級の実現をめざす考えを示した。

 コロナ禍を受け、小中学校の少人数学級を求める声は高まっている。今月には政府の教育再生実行会議のワーキンググループが「予算編成の過程において丁寧に検討することを期待する」との合意文書をまとめ、自民党の教育再生実行本部も「30人学級の推進」を求める決議をまとめた。(宮崎亮