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 広島への原爆投下後に降った「黒い雨」を浴びたと訴えた住民84人全員を「被爆者」と認めた広島地裁の判決に対し、国と広島県、広島市が控訴したことについて、福島第一原発事故の賠償訴訟の原告団などでつくる「原発事故被害者団体連絡会」など5団体が29日、共同で抗議声明を発表した。

 声明は、判決が内部被曝(ひばく)による健康被害の可能性を認め、地理的な線引きで「被害者」を決めることを否定したとして「(福島第一原発事故などの)被曝被害を正しい解決に導く一つの指針」と表現。国などに控訴の取り下げを求めた。

 他の4団体とともにオンラインで記者会見した原発事故被害者団体連絡会の武藤類子共同代表(67)は「原爆と原発は放射能の問題でつながっている。これからも力を合わせて闘う」と話した。

 5団体の一つで、四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求める「伊方原発広島裁判原告団」事務局の哲野イサクさん(72)は「一定量の放射線は伊方原発からも出ている。低線量でも人体に被害を与えると認める判決を(伊方原発の訴訟でも)勝ち取りたい」と話した。(西晃奈)