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 菅義偉首相は29日夜、ロシアのプーチン大統領と初めての電話協議に臨んだ。安倍晋三前首相は北方領土交渉で事実上の2島返還へ舵(かじ)を切り、日ロ平和条約の締結をめざしたが、打開は図れなかった。菅氏も安倍政権の「戦後外交の総決算」を継承するが、ロシアの強硬姿勢は変わらず、展望は描けていない。

 菅首相は電話協議で、平和条約の締結など日ロ間の課題について対話を継続することを確認した。終了後、記者団に「北方領土問題を次の世代に先送りせず終止符を打ちたいと申し上げた。プーチン大統領と今後率直に意見交換ができる手応えを感じた」と述べた。その上で、できるだけ早く対面の会談を実現させることで一致したという。

 ただ領土問題をめぐるロシア側の強硬姿勢は変わらず、交渉の先行きは見通せないままだ。

 北方領土問題の解決に強い意欲を示してきた安倍前首相は、「私とプーチン大統領の手で必ずや終止符を打つ」として、通算27回の首脳会談を重ねた。2016年にはエネルギー開発などで日本企業の投資を促す「8項目の経済協力プラン」を提案し、「新しいアプローチ」で領土問題解決に向けた信頼醸成を図ろうとした。

 18年には、歯舞(はぼまい)群島と色丹(しこたん)島の引き渡しを明記した1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速することで合意し、事実上の2島返還をめざす方針へと転換。安倍氏のもとで領土問題を解決しようと、4島返還というこれまでの原則を結果的に曲げてまで19年の大筋合意を模索したが、実現できなかった。

 こうした安倍政権の方針は、経済産業省出身の今井尚哉首相秘書官(現・内閣官房参与)や長谷川栄一首相補佐官ら安倍氏側近が主導し、日ロ交渉は「官邸主導外交」の象徴となった。外務省は官邸の意向に沿いつつも、「ロシアはそんなに簡単な国ではない」「結果は見えている」と一貫して冷ややかだった。

「前政権のアプローチは…」

 安倍氏の首相退陣によって日ロ交渉は暗礁に乗り上げたままとなり、安倍氏が決断した「2島返還」の方針は残った。

 菅政権幹部は「本気で島を取り…

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