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 政府は家庭内暴力(DV)や性暴力への対策を強化するため、10月1日付で内閣府に「男女間暴力対策課」をつくる。名称に「男女間」とあることをめぐり、インターネット上で賛否の声が出ている。女性への暴力の根絶が主な狙いで、対策強化を歓迎する声の一方で、「同性間の被害などが無視されている」との批判もある。

 対策課は、DVや性暴力の問題に取り組んできた「暴力対策推進室」を格上げして発足する。性犯罪の被害者支援や相談体制の強化が狙いだ。担当する橋本聖子男女共同参画相は29日の閣議後会見で、「新設を契機に女性に対するあらゆる暴力の根絶に向けた取り組みを一層強化したい」と意気込む。

 課の名称に「男女間」とついたことには、ツイッター上で「同性間の性暴力に対応する気がないことがわかる名前だ」「男女限定とは時代錯誤」との投稿があった。「女性は男性に暴力をふるわない前提なのか」とする疑問の声も聞かれた。

 内閣府の担当者は朝日新聞の取材に「男女間がないと、暴力対策課になり、あらゆる暴力に対応するようにみえる問題があった」と話す。現状では男性が加害者、女性が被害者のケースが多いとしつつ、「同性間の暴力のケースなどを排除しているわけではなく、歯がゆいところではある」としている。

 加藤勝信官房長官は29日の会見で、「性暴力は性別を問わず人権を著しく踏みにじる決して許されない行為だ」とした上で、組織改編を機に政府全体として取り組む考えを示した。(菊地直己、小野太郎)