[PR]

 大阪府は30日付で、府内689地点の基準地価(7月1日時点)を公表した。新型コロナウイルスの影響が大きく、住宅地はマイナス0・3%と7年ぶりに下落した。商業地はプラス1・8%と8年連続上昇したが、前年の8・7%と比べて上昇率は大幅に鈍った。

 調査した不動産鑑定士らの代表の山内正己さんは「年明けまではかなり上昇していたが、コロナの影響で下落局面に入った。結果的に上昇したところも、下落まで至らなかった地点。上昇と下落が重なった珍しい年だ」と評価した。

 住宅地は477地点のうち4割で下落した。特に府南部では下落幅が昨年より拡大した。市町村別では岬町がマイナス5・0%、能勢町同4・5%、千早赤阪村同3・2%だった。

 一方、大阪市内は福島区2・7%、天王寺区2・5%、北区1・6%と上昇したが、いずれも昨年と比べ2ポイントほど上昇率が落ち込んだ。堺市や北摂エリアでもプラスを保った。

 最高価格は21年連続で大阪市天王寺区真法院町10の6。価格は1平方メートルあたり62万9千円で、上昇率も最も高い3・6%だった。

 商業地ではオフィス需要のある地域は堅調だったものの、政府が外国人の入国を制限し始めた2月以降、インバウンド需要が強かったホテルや商業施設が多い地域で落ち込んだ。

 最も下落率が大きかったのは道頓堀・戎橋近くの商業ビル(大阪市中央区宗右衛門町7の2)の1平方メートルあたり2330万円でマイナス4・5%。2018年と19年は府内の商業地の最高価格だったが、トップから陥落した。

 代わって最高価格になったのはグランフロント大阪南館(大阪市北区大深町4の20)で同2360万円。山内さんは「後半は下落に転じたが、オフィスは賃料も安定しており、影響が少なかった」と分析した。

 市区町村別の上昇率は、大阪市淀川区の7・2%が最も高かった。梅田でオフィスの新規供給が止まり、梅田に近い淀川区の新大阪エリアに需要が集中したという。

 続いて大阪市北区の5・3%、天王寺区の4・3%だった。下落率が最も大きかったのは泉佐野市でマイナス1・6%。河内長野市同1・3%、大阪市東住吉区同1・2%が続いた。(多鹿ちなみ)

<注>最寄り駅から1キロ程度にある標準的な基準値の7月1日時点の価格。距離は大阪メトロ本町駅(大阪市中央区)からの直線距離。

関連ニュース