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 2018年度に虐待で亡くなった子どもは73人で、前年度より8人多かったことが30日、厚生労働省の専門委員会のまとめで明らかになった。このうち無理心中以外で亡くなった子どもは54人と前年度より2人多く、2年連続で増えた。

拡大する写真・図版児童相談所の相談室。虐待の相談などがあったときに児童福祉司と親子が面談する=札幌市中央区

 54人を虐待の類型別にみると、最も多いのは「ネグレクト(育児放棄)」(46・3%)で、「身体的虐待」(42・6%)を初めて上回った。加害の動機は「保護を怠ったことによる死亡」(14・8%)、「しつけのつもり」(5・6%)が高かった。子どもの年齢は0歳児が22人と40・7%を占め、主たる加害者は実母が46・3%、実父が16・7%だった。

 専門委はまた、17年度までの約11年間にあった無理心中以外の虐待死から、実母がDV(配偶者、恋人などからの暴力)を受けていた事例の傾向を分析。実母がDVを受けている場合、父親や交際相手が児童虐待の加害者になる割合が高くなる傾向があった。また、DVを受けた実母の60・8%は10代で妊娠・出産を経験し、23・5%は生活保護世帯だった。

 虐待とDVの関連は以前から指摘されていた。18年3月に東京都目黒区で5歳の女児が虐待で亡くなった事例や、19年1月に千葉県野田市で小学4年生の女児が虐待で亡くなった事例は、いずれも実母がDVを訴えており、夫による子どもへの虐待行為に逆らいにくい状況になっていた。

拡大する写真・図版夜間の電話に対応する児童相談所の職員。虐待通報があれば、48時間以内に子どもの安全確認が求められる

 専門委は「実母自身の社会経験の少なさや、パートナーとの関係性から、安定した家族関係を築くことに難しさを抱えている」と分析。社会的な孤立が虐待の深刻化を招く場合があることから、子どもと同時にDV被害者への支援が重要だと指摘した。(田中瞳子)