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 神奈川県座間市のアパートで2017年、若い男女9人の遺体が見つかった事件で、強盗・強制性交殺人や死体損壊・遺棄などの罪に問われた白石隆浩被告(29)に対する裁判員裁判の初公判が30日午後、東京地裁立川支部(矢野直邦裁判長)で始まった。白石被告は罪状認否で「間違いありません」と述べ、起訴内容を認めた。

 一方、被告の弁護人は、殺害の承諾を被害者から得ていたとして、法定刑が軽い承諾殺人罪の成立を主張した。複数の事件で起訴された被告に同罪が適用されれば、併合罪の規定で法定刑は最高10年6カ月となる。刑事責任能力についても「心神喪失で責任能力がなかった」とした。裁判は、被告と弁護側の主張が異なる展開となった。

 白石被告は、自殺願望をSNSで投稿していた被害者に「自殺を手伝う」と持ちかけたとされる。検察側は被告が捜査段階で「本当に死にたい人はいなかった」「いきなり口を塞いだり首を絞めたりした」と供述したことを踏まえ、殺害の承諾はないと判断。金銭や性的目的の犯行だったと立証する。11月に予定される論告求刑では極刑を求めるとみられる。判決は12月15日に言い渡される予定。

 起訴状などによると、白石被告は17年8~10月、1都4県に住む15~26歳の男女9人を自宅アパートに誘い、ロープで首を絞めて殺害。それぞれから数百~数万円を奪い、女性8人には性的暴行を加えたとされる。

 事件は17年10月に発覚。白石被告は同月以降、計10回逮捕され、精神状態を調べる鑑定留置を経て18年9月に起訴された。

 この日午前、東京地裁立川支部前には625人が傍聴券を求めて長い列をつくった。抽選倍率は約48倍だった。(加藤あず佐、西村奈緒美)