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断層探訪 米国の足元 第二部⑤

拡大する写真・図版ニューヨーク大学のトマ・フィリポン教授=本人提供

 米国では今世紀に入り、食肉産業だけでなく通信、航空、金融、医療などさまざまな分野で巨大企業の独占傾向が強まっている。この問題の第一人者が、ニューヨーク大学のトマ・フィリポン教授だ。国家の統制色が強いとみられてきたフランスの出身だが、そのフィリポン氏から見て、自由競争の牙城(がじょう)のはずの米国が逆に「自由市場をあきらめた」と映るという。格差問題を取り上げた「21世紀の資本」などで知られるトマ・ピケティ氏とも近い、仏経済学者のフィリポン氏に実態を聞いた。

 ――近著「大反転」の副題は、一般のイメージとは裏腹に「自由市場をあきらめた米国」です。どういうことですか。

 食品産業、航空産業、エネルギー産業……。米国ではほとんどあらゆる産業で大企業による独占の傾向が強まり、消費者がないがしろにされてきました。わかりやすいのは通信産業です。インターネットの先進地域だったはずの米国で、ネットや携帯電話を使うのにそれぞれ毎月80~100ドルくらいは支払わなければいけない。基本的なサービスを受けるだけで、こんな額を払わなければいけないのは明らかにおかしい。

 ――食品産業などでは、効率化や巨大化によって、安定した品質の商品を提供できるようになった面もあるのではないですか。

【連載】断層探訪 米国の足元
冷戦終結後、企業はグローバル化を進め、サプライチェーンを張り巡らせてきた。そのほころびが今、新型コロナウイルスの影響で加速している。「米国第一」を掲げるトランプ大統領のもと、米国で何が起きているのか。

 それこそが、独占を正当化しよ…

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