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 米サンフランシスコのベンチャーキャピタル「スクラムベンチャーズ」(SV)が9月30日、日本の食品大手6社と海外の食のベンチャー企業とを結ぶプログラム「フードテックスタジオ バイツ!」を発表した。海外で進む地球環境に配慮した食品の開発や、新しい食品の調理法から調理器具まで、食に関する海外のベンチャー企業と組むことで、日本企業が手がける食品や商品に変化を促す狙いだ。

 参加する6社は、不二製油グループ本社、日清食品ホールディングス、伊藤園、ユーハイム、ニチレイ、大塚ホールディングス。

 SVが健康分野、次世代の食品、持続可能性など五つの分野からベンチャー企業を募り、参加する大手企業と結ぶ。各国の食の研究者や著名シェフなども助言をし、新たなサービスや商品を開発する。2021年3月までに事業開発をする予定だ。

 日本の参加企業には世界的に知られる老舗企業も多いが、「自社だけでは開発できない技術を外から取り入れたい」「新型コロナウイルスの影響で社会環境が変わるなか、新たな事業を生み出したい」といった期待がある。

 欧米では近年、世界人口の急増や地球環境への配慮などから、食産業に変化が起き始めている。

 大豆など植物性たんぱく質を使った「代替肉」の広がりや、個人の体質に合わせた食材の開発や配送体制の構築などのほか、コロナ禍で外食産業も大きな変化を求められている。

 プログラムを立ち上げたSVパートナーの外村仁さんは「海外で新しい食産業が作られているなかで、日本企業の姿が見られないことが気になっていた」と話す。

 なかでも代替肉は、環境問題への意識が高い若い世代の間で人気が広がっており、米国ではスーパーやファストフード店で手軽に手に入るようになっているという。

 この日の発表では、「格之進ハンバーグ」など、熟成肉を生産・販売している門崎(岩手県一関市)の代表取締役・千葉祐士さんが、代替肉と自社の肉を焼き比べた。調理すると、「香りも見た目もほとんど差がわからない」と話す。「カニとカニカマのように別の役割とも言えるが、従来の肉が消費者に支持され続けるにはどうしたらいいのか、生産者も考えないといけない」と危機感をみせた。

 外村さんは、「日本には世界に知られる食文化がある。海外のベンチャーと組むことで、日本の食産業の変革を加速させたい」と話す。(宮地ゆう)