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 来日中の米国のビリングスリー軍備管理担当大統領特使は29日、外務省の森健良外務審議官らと会談し、中国のミサイル脅威などについて意見交換した。これに先立ち特使は同日、朝日新聞などとの会見で今後の核軍縮条約に関し、「日本政府が中国に交渉に加わるよう、公に圧力をかけることを期待する」と述べた。

拡大する写真・図版森健良外務審議官(右)との会談に臨む米国のビリングスリー軍備管理担当大統領特使=2020年9月29日午前、東京都港区の外務省飯倉公館、北見英城撮影

 ビリングスリー特使は会見で、来年2月に期限が迫る米ロの新戦略兵器削減条約(新START)について、中国の核兵器が削減対象外だと指摘。中国も含めた条約の再構築が必要だと強調し、日本政府も中国に条約参加を強く促すよう求める考えを示した。

拡大する写真・図版ビリングスリー米大統領特使(軍備管理担当)=米国務省提供

中距離弾道ミサイルのアジア配備を示唆

 特使はまた、中国について「脅威の領域やレベルが格段に増している」と強い懸念を表明。米国が中距離核戦力(INF)全廃条約で保有を禁じられた陸上配備の短距離、中距離の弾道・巡航ミサイルに関し、中国は13種類以上、2千発保有していると指摘し、INF条約失効を受け、米国もアジアに同種のミサイル配備をする可能性を示唆。日本の敵基地攻撃能力保有には直接言及しなかったものの、中国のミサイル脅威に対する日米の「能力の組み合わせ」にも期待感を示した。(編集委員・佐藤武嗣