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臍帯血を脳性まひの治療に活用 高知大が臨床研究開始

湯川うらら
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 きょうだいの臍帯血(さいたいけつ)を使った再生医療を用いて脳性まひの治療法を探る臨床研究が国に承認された高知大は30日、記者会見を開き、臨床研究を担当する藤枝幹也教授は「夢のある治療法を全国へ還元させたい」と意気込みを語った。

 脳性まひの患者には根本的な治療法がなく、リハビリなどが中心となる。高知大では、米国で臍帯血を用いた脳障害の治療法が発表されたことを受け、2009年に医学部付属先端医療学推進センターに臍帯血幹細胞研究班を設け、研究を開始した。

 同研究班によると、17年から患者自身の臍帯血を輸血する臨床研究を行い、「寝たきりから補助器で歩けるようになった」「コミュニケーション能力が明らかに向上した」といった有効性が確認された。9月24日には厚生労働省の再生医療等評価部会で、きょうだいの臍帯血を用いた臨床研究が了承された。

 基礎研究を担う前田長正教授は「他人の血液を使用することなど、様々な壁があったが、長年研究を続けてきたことが認可につながった」と語った。臍帯血が保管されている場合は少なく、他人の臍帯血が効果があれば、治療法の幅が広がるという。

 臨床研究の対象は、脳性まひと診断された1歳以上7歳未満の8人。民間バンクに凍結保存したきょうだいの臍帯血を輸血し、輸血後2年間、安全性や運動障害の改善効果などを調べる。年内に1例目の臨床研究の開始を目指すという。(湯川うらら)