長谷川陽子、山田暢史
衆院議員の任期満了(来年10月21日)まで残り1年を切り、埼玉県内でも与野党が衆院解散・総選挙に備え、準備を進めている。朝日新聞の取材では、県内に15ある小選挙区で、現時点では少なくとも計38人が立候補の準備に入っている。
自民党は前回2017年、15選挙区のうち13選挙区で公認候補(追加公認を含む)が当選し、残る2選挙区も比例復活当選した。次回も現職15人をそのまま各選挙区に擁立する見通しだ。
党県連の小谷野五雄幹事長は「すぐに選挙があっても対応できるよう体制を整えている」と話し、全選挙区での議席獲得を目指す。県連は国政で連立を組む公明党との選挙協力を引き続き進める考え。ある県連幹部は「比例区は公明への投票を支援者に呼びかける準備を進めている」と話す。
公明は比例区での議席獲得に力を入れる。比例北関東で元職と新顔の2人をすでに公認し、現職1人と合わせた計3議席の獲得を目指す。党県本部の塩野正行幹事長は「(自民との)信頼関係に基づき、しっかりとした協力体制をとる」と意気込む。
政権交代を目指す立憲民主党は、現職6人、元職2人、新顔3人を擁立する構え。旧立憲と旧国民民主党は以前から、選挙区が競合しないよう調整しており、新党結党後もその流れを引き継いでいる。立憲県連関係者は「自民を利することはしたくない」としており、国民が新顔を立てる予定の4区については、公認候補の擁立を見送る可能性が高い。
立憲、国民いずれも立候補予定者がいない選挙区は2、8、14区。立憲県連代表代行の熊谷裕人参院議員(埼玉選挙区)は「党本部とも相談しながら早急に決めていきたい」と話している。
共産党は新顔6人の擁立を発表。野党共闘に前向きな姿勢を示しており、党県委員会はこのうち2区を重点区と位置づけ、元県議の奥田智子氏を野党統一候補に推す考えだ。
日本維新の会は2区と15区に公認予定者がいるが、他の選挙区でも候補者を公募している。れいわ新選組は2区に新顔を擁立する予定だ。
また、8区と14区では、元職が立候補に意欲を示している。(長谷川陽子、山田暢史)
【1区】=さいたま市浦和区、緑区、岩槻区など
◎村井英樹 自現
武正公一 立元
【2区】=川口市(一部区域を除く)
◎新藤義孝 自現
奥田智子 共新
高橋英明 維新
田島剛 れ新
【3区】=草加市、越谷市(一部区域を除く)
◎黄川田仁志 自現
○山川百合子 立現
【4区】=朝霞市、志木市、和光市、新座市
◎穂坂泰 自現
工藤薫 共新
浅野克彦 国新
【5区】=さいたま市西区、北区、大宮区など
○牧原秀樹 自現
◎枝野幸男 立現
【6区】=旧鴻巣市、上尾市、桶川市、北本市など
○中根一幸 自現
◎大島敦 立現
【7区】=川越市、富士見市など
◎神山佐市 自現
○小宮山泰子 立現
【8区】=所沢市、三芳町など
◎柴山昌彦 自現
小野塚勝俊 無元
【9区】=飯能市、狭山市、入間市、日高市など
◎大塚拓 自現
杉村慎治 立新
神田三春 共新
【10区】=東松山市、坂戸市、鶴ケ島市など
◎山口泰明 自現
坂本祐之輔 立元
【11区】=秩父市、本庄市、深谷市など
◎小泉龍司 自現
島田誠 立新
小山森也 共新
【12区】=旧熊谷市、行田市、加須市、羽生市など
◎野中厚 自現
○森田俊和 立現
【13区】=旧春日部市、旧久喜市、蓮田市など
◎土屋品子 自現
三角創太 立新
赤岸雅治 共新
【14区】=八潮市、三郷市、幸手市、吉川市など
◎三ツ林裕巳 自現
田村勉 共新
鈴木義弘 無元
【15区】=さいたま市桜区、南区、蕨市、戸田市など
◎田中良生 自現
※高木錬太郎 立現
沢田良 維新
◎は前回衆院選で小選挙区当選、○は小選挙区で敗れ比例復活当選。※は前回、比例単独候補として当選
敬称略。自=自民党、立=立憲民主党、共=共産党、維=日本維新の会、国=国民民主党、れ=れいわ新選組、無=無所属
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朝日新聞さいたま総局