[PR]

 千葉県内の児童相談所に寄せられた児童虐待の相談・通報を受けた対応が2019年度は1万705件(速報値)で過去最多となり、初めて1万件を超えた。19年1月に野田市で小学4年の栗原心愛(みあ)さん(当時10)が虐待死した事件をうけ、県民の関心が高まり、周囲からの通報が増えた影響が大きいという。

 県の6児相と千葉市の1児相の対応件数を合計した。児童虐待防止法が施行された00年度以降、右肩上がりで18年度より1645件増えた。

 内訳は、言葉での脅しや家庭内暴力を見せられるといった「心理的虐待」が4900件と全体の46%を占めた。殴るなどの「身体的虐待」は3252件(30%)。育児放棄などの「ネグレクト」は2378件(22%)、「性的虐待」は175件(2%)と続いた。

 虐待を受けた子どもの年齢別で見ると、未就学児46%▽小学生34%▽中学生14%▽高校生など6%となった。虐待を指摘されたのは実母52%▽実父40%▽継父ら5%▽継母ら1%などだった。

 県の6児相で見ると、相談・通報を寄せたのは、警察42%▽近隣・知人18%▽市町村福祉事務所7%など。野田市の虐待死事件をうけて関心が高まったとみられ、近隣・知人からが前年度より363件増えた。また、警察との連携を強化した結果、通報が増えたという。県児童家庭課は「相談や通報によって、困っている子どもを助け、救える命がある。対応件数増を必ずしも否定的には捉えていない」としている。

 県は子どもを救う体制強化に県児相を2カ所増設する方針。柏市と船橋市は市児相の開設をめざし、準備を進めている。

     ◇

 野田市の虐待死事件を調べた「県児童虐待死亡事例等検証委員会」で委員長を務めた川崎二三彦さんが講師を務め、虐待防止を考える講演がユーチューブで見られる。期間は11月9日~12月10日で無料。

 テーマは「考えてみよう、子どもの権利 体罰によらない子育てのために」。今年4月施行の改正児童福祉法などでは保護者らの「しつけ」と称した体罰の禁止が明記された。講演では、体罰によらない子育てのヒントを探る。「子どもの日記を勝手に見る」などの事例から子どもの権利条約についても学ぶ。

 ユーチューブで限定公開するため、事前の申し込みが必要。電子メールで件名を「子どもの人権問題オンライン講演会申込」とし、住所、氏名、電話番号、メールアドレスを記入し、県健康福祉政策課人権室(jinken2@mz.pref.chiba.lg.jp)へ。問い合わせは同室(043・223・2348)。(上田雅文)

関連ニュース