【動画】ルービックキューブを素早く解いてみせる伏見有史さん=鈴木春香撮影
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 立体パズル「ルービックキューブ」が日本で販売が始まってから今年で40周年を迎えました。いま、再び人気を集めています。立方体を縦横に動かし各面の色をそろえるこのパズルは、1980年に世界中で大ブームを巻き起こしました。いまも根強いファンがいて、解くスピードを競う大会が国内外で開かれています。シンプルなパズルが、人気を保ち続けるのはなぜなのでしょうか。キューブを愛する人たちに取材しました。

 「ルービックキューブが生まれたのはハンガリーです。キューブの知名度のわりにこの事実が知られていない」。駐日ハンガリー大使のパラノビチ・ノルバート氏はこう言って悔しがります。

 ルービックキューブは、1970年代にハンガリーの首都・ブダペストで発明されました。彫刻と建築学の教授だったエルノー・ルービック氏(76)が、学生たちに3次元幾何学を説明するため、木で制作したのが始まりです。77年に「マジックキューブ」の名で商品化されると異例のヒットとなり、80年にルービック氏の名を冠した現在の名称で世界展開されました。発売から2年間で1億個以上が売れたそうです。

 ハンガリーでは小学校などで、論理的思考や空間把握能力を鍛えるためルービックキューブが授業に採り入れられているそうです。パラノビチ大使は「私たちの国は小さく地味ですが、ノーベル賞受賞者も多く、キューブのような創意工夫にあふれていることをもっと知ってもらいたい」と話します。

人気支える競技大会 目隠し部門も

 日本でも、ルービックキューブは発売から8カ月で400万個以上が売れる大ヒット商品となりました。国内でルービックキューブの販売を手がける「メガハウス」によると、これまで大小様々なサイズや長方形の「ルービックタワー」など、約100種類を展開し、累計の販売数は1400万個を超えています。

 そして榊原博社長によると、特に今年は「1980年の販売時に次ぐ売れ行き」だそう。要因とみるのがコロナ禍の「巣ごもり需要」です。ネット販売を中心に好調で、年間100万個の出荷目標を達成する見込みだと言います。「ユーチューバーを通じて解法パターンなどを紹介する動画が広まったことも大きい」と分析しています。

 長く愛されてきた理由については「パズルという遊びの面だけでなく、スピードを勝負する競技性、飾れるアート性、教育への応用など、色々な側面をもっているからではないか」と話します。

 競技性の面で人気を支えているのが、競技大会の存在です。毎年、大小数多くの大会が国内外で開かれています。競技部門はなんと17種類。国内大会を主催する「日本ルービックキューブ協会」によると、「両手」「片手」「目隠し」などの形態別、キューブの種類別で分かれているそうです。目隠し部門では、事前にキューブの色の配置を覚えたうえで目隠しをし、記憶だけでキューブを解きます。

 鈴木洋平副会長によると、両手部門の決勝に進むくらいのレベルになると、タイムは10秒を切るそうです。「キューブの改良で回しやすさが向上したこともあり、10秒を切る人は年々増えていますよ」

 日本では2005年以降、年を追うごとに開催数が増えています。参加者も増加傾向で、最近は年間1千~2千人。各地で有志が集まり手順などを教え合う「オフ会」の存在も、普及を後押ししているようです。

迷いなく軽快に 世界チャンプの指先

 最後に、2011年の世界大会で片手部門の優勝経験を持つ伏見有史さん(24)に、その速さを実演してもらいました。

 まず、色がばらばらの状態のキューブを数秒見つめます。そして、人さし指でキューブをはじくように回していきます。カシャカシャ、とキューブが軽快な音を立てます。リズミカルで迷いはありません。あっという間、約10秒足らずで完成しました。

 解いている時の頭の中がどうなっているのか尋ねると、伏見さんはこう説明してくれました。

 「解く前にキューブを観察する…

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