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 宮城県名取市のショッピングモールなどに設けられる献血会場で、この秋、異変が起きている。日本各地から若者が、わざわざ献血にやって来るようになったのだ。ある新米ナースをお目当てに――。

 名前は「名取さな」。2年前にデビューしたバーチャル・ユーチューバーで、ピンク色のナース帽をかぶった看護師のキャラクターだ。動画配信が人気で、ユーチューブチャンネルの登録者は21万6千人、公式ツイッターのフォロワーも20万人を超える。

 その彼女を、名取市保健センターが献血推進の啓発役にと起用した。若年層の献血離れをなんとかしたいと担当者が頭を悩ませ、ネットであれこれ検索していて、市と同じ名字の人気者を見つけたという。コラボを打診し、快諾を得られた。

 献血会場では名取さなののぼり旗を立て、献血協力者にはポスターをプレゼントする。彼女がツイッターで告知すると、1万9千の「いいね」が押され、情報が拡散。ツイッターは「担当者神」「俺の血全部抜いて使ってくれ」と、名取市祭り状態になった。

 最初のコラボは8月30日。前日の倍以上の93人が訪れ、東北各県のほか島根県や愛知県から来た若者もいた。次からは密を避けようと、ポスター配布の機会を限定し予約制に。2回目の9月26日も、福井県や兵庫県からファンが駆けつけたという。次回のコラボ献血は10月末の予定だ。

 ちなみに「名取さな」はもともと、名取市とは縁もゆかりもなかった。名前は「サナトリウム」で働いていることからだと、連想するファンもいる。(石橋英昭