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 インフルエンザの流行期を前に、インフルワクチンの接種が1日始まった。今季は新型コロナウイルスとの同時流行が懸念されるが、発熱した患者が希望どおりに検査や診察を受けられる態勢は整えられるのか。希望者が増えるとみられるワクチンは十分に行き渡るのか。課題は多い。

 東京都港区の小児科「クリニックばんびぃに」は8月末、特注のアクリル板を導入した。検査の際、患者との間を仕切るためのものだ。両手を差し込む穴があり、鼻の奥から粘液を採ったときに患者がくしゃみをした場合でも、医師がそのしぶき(飛沫(ひまつ))にさらされないようにしている。

インフル患者、コロナとけた違い

 症状だけでコロナとインフルを見分けるのは難しい。検査の際に患者がコロナに感染していれば、検査する医師も感染してしまう恐れがある。

 時田章史院長によると、冬は例年、多い日には1日100人ほど、インフルが疑われる患者が来る。ここにもし、同時流行が起きたら――。「地域医療を混乱させないためにも、検査時の感染を防ぐ防護策が必要」と時田院長は話す。

 国内では現在8万人以上の新型コロナの感染者が報告されているが、インフルは年によっては推計で1千万人を上回る患者が出る。同時流行に備え、厚生労働省は新たな検査・受診の態勢を整えようとしている。

 新型コロナの検査は現在、保健所などに設置されている「帰国者・接触者相談センター」に相談し、感染症対策が整った専門の外来を受診することになっているが、この仕組みを変える。都道府県は10月中に新型コロナ、インフルの両方の検査ができる「診療・検査医療機関」を指定する。この役割をかかりつけ医など地域の医療機関に担ってもらう。発熱などがあった場合、患者は、かかりつけ医に電話して受診する。指定されていない場合は、別の医療機関を紹介してもらう。

 発熱患者に対応する医療機関を増やすねらいがあるが、感染対策のためにはコストもかかる。コロナやインフルの検査以外で受診する人の院内感染を防ぐために、受診の時間を分けるなどの対応も必要になる。

風評被害に不安の声も

 現場の医師からは発熱患者が殺到したり、感染者が出たときに風評被害につながったりすることへの不安の声もある。埼玉県は医師会と連携して必要な防護策などをガイドラインにまとめたうえで、診療・検査医療機関を募るという。「理解を得るためにも時間をかけた丁寧な説明が必要だ。10月中に間に合うように急ピッチでとりくむ」と担当者は話す。

 コロナの抗原検査の簡易キットについて、政府は1日平均20万件ほどまで増やす目標を掲げる。ただ十分な量が行き渡るかは不透明だ。厚労省はまた、医師の感染リスクを下げるため、新たに鼻の入り口付近(鼻腔(びくう))の粘液を検体として使うことも認めた。対応できる医療機関が増える可能性はあるが、この冬にどこまで広がるか課題も残る。

ワクチンに希望者殺到の可能性

 インフルワクチンについて厚労…

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