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 子どもたちの体力低下に歯止めをかけようと、鹿屋体育大学(鹿屋市)が運動の基礎となる動作を5分で正しく学べるダンスを開発した。その名も「エクシード」。製作に協力するKKB鹿児島放送(鹿児島市)が、動画アプリ「KAPLI(カプリ)」で11月から配信する予定だ。

 開発したのは同大の高井洋平准教授(スポーツ科学)と、ダンス部顧問を務める栫(かこい)ちか子講師。エクシードは、英語で運動を意味する「エクササイズ」と、種を意味する「シード」を組み合わせた造語で、運動の種をまこう、との思いが込められている。

 開発のきっかけは、深刻化する子どもたちの体力の低下だ。スポーツ庁が小学5年生と中学2年生を対象に実施した昨年度の全国体力調査によると、反復横跳びや50メートル走、立ち幅跳びなどの体力合計点は男女ともに前年度を下回り、中でも小5男子は2008年度の調査開始以来、最低となった。テレビやゲーム、スマートフォンの画面を見る「スクリーンタイム」の増加と、それに伴う運動時間の減少が背景にあるとみられている。

 「子どもの頃の運動習慣は成人になってからも影響する。小さい時から体を動かす習慣をしっかりと身につけることが大切」

 そう話す高井さんが地元の小学校の先生に意見を求めたところ、「(毎日の所要時間が)5分ぐらいなら、全国の学校でも、運動の時間が確保できるのでは」との回答を得たという。試しに小学生たちに協力してもらい、毎日5分のスクワットを続けてもらった結果、スクワットをしない児童と比べ、筋力の増加が大きいことが分かった。

 だが、どんなに短時間でも、スクワットや片足を前に踏み出すランジといった単調な動作の繰り返しだけでは、子どもたちに飽きられてしまう可能性があった。そこで着目したのがダンスだった。

 「学校教育にダンスが採り入れられ、今の子どもたちはリズムに合わせて体を動かしたり、自分を表現したりすることに抵抗がありません」と栫さん。

 試行錯誤の末、「走る」や「跳ぶ」といった運動の基礎となる動作を30パターンほど盛り込み、5分間のダンスとして完成させた。

 1日、「KAPLI」での配信に向けた動画撮影がKKBであり、同大ダンス部の学生ら6人が参加。鹿児島で活躍するシンガー・ソングライター、yumicaさんが作詞作曲した「僕は今、青になる」に合わせ、「スタンダード」「イージー」「ハード」など5種類のダンスを収録した。

 高井さんと栫さんは「運動が好きな子、そうでない子、そして忙しい大人も短時間でしっかりと体を動かせます。『運動の種』が全国へと広がり、実を結べばうれしい」と話している。(三沢敦)