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 高校時代に苦労した人も多い数学の微分積分を学び直せる一般向けの解説本を、海上自衛隊小月基地(山口県下関市)の教官・佐々木淳さん(40)が出版した。「微積なんて人生に関係ない」と思っている人も、微分積分が思わぬところで日常生活にかかわっていることがわかる一冊となっている。

 佐々木さんは大手予備校の講師を経て、自衛隊の数学教官として小月基地でパイロット候補生に数学を教える。昨年は「10%のポイント還元と10%割引の違い」など身の回りのことを数学で説明する本を出版。さらに、下関市内の高校などに出向いて数学の面白さを教える活動も続けている。

 今回、出版社から「微分積分のわかりやすい解説本を書いてみませんか」と誘いがあった。読者層は、大学受験時に微分積分で苦労した社会人を想定した。「本を手にしてくれる人は、嫌な記憶だったとしても、実は微分積分をわかりたかった人のはず」と佐々木さん。

 最後まで読めば、ツイッターのトレンド分析や新型コロナウイルスの増減傾向、桜前線の予想など、微分積分が生活の様々な場面に使われていることが理解できる。

 とはいえ数学は算数からの積み重ねの学問。小中高12年間の学習の流れをまとめるのに苦労した。せっかく読んでくれる人に再び挫折感を与えないよう、見開きの右側は図解に割くなど視覚で理解してもらえるよう工夫した。

 読む際のコツとして、佐々木さんはわからないページは一回脇に置いて読み進めることを勧める。「数学教官でも苦手な分野はある。微分積分は長い歴史の中で編み出された計算方法。全てを短時間でわかろうとせず、急がずゆっくり反復して読んでもらえれば」と話す。

 タイトルは「図解 かけ算とわり算で面白いほどわかる微分積分」(ソーテック社)。税別1480円。(井石栄司)