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 自然の中を歩きながらアート作品を鑑賞する芸術祭「MIND TRAIL(マインド トレイル) 奥大和 心のなかの美術館」が3日から奈良県吉野町、曽爾、天川両村を舞台に順次始まる。美術家らが地元に滞在するなどして作ったアート作品と各町村の自然を楽しめる企画だ。

 奥大和地域誘客促進事業実行委員会と県が主催。コロナ禍で観光客の足が県南部・東部の奥大和から遠のく中、「密」にならない催しで客を呼び戻そうと7月に開催が決まった。大分県や神奈川県で芸術祭を手がけたクリエーティブディレクターの齋藤精一さんにプロデュースを依頼した。

 3町村それぞれに3~5時間かけて歩くコースが設けられる。彫刻や映像など全21組の新作約60点がコース上に設置される。ほとんどの作家が地元に滞在した経験をもとに作品を作っているという。

 客は、電波の届かないところでも現在地が確認できる登山用地図アプリや地図を手に、アート作品や名所をめぐる。本格的な登山靴の必要ない、歩きやすいコースだという。

 吉野町では、全長8キロ(所要時間約5時間)のコースに、詩人の谷川俊太郎さんら13組の約20作品が展示される。そのうちの一つ、力石(ちからいし)咲さんの作品は、木と編み物で作ったオブジェ、吉野名産のクズで作った器などを森の中に展示。映画「宇宙でいちばんあかるい屋根」の撮影を担当した上野千蔵さんの作品もある。奥大和の川や滝を撮影した映像作品を吉野水分(みくまり)神社で展示する。

 曽爾村は10日から、天川村は18日から始まり、3町村とも11月15日まで。10月2日午後4時、吉野町の同町中央公民館大ホールで、雑誌「ソトコト」編集長の指出一正さん、クリエーティブディレクターの齋藤さん、奥大和の移住・交流を担当する福野博昭県知事公室次長の座談会もある。

 齋藤さんは「こんな時期だからこそ、奈良・奥大和の広大な大地を使い、自分の足で歩き、アートを通じて身体と自然を感じてほしい」とコメントしている。(米田千佐子)

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