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 「学者の国会」ともいわれる日本学術会議で、長年守られてきた人事の独立が破られた。会議が新会員として推薦した105人のうち6人が、菅義偉首相によって任命されなかった。政府から理由の説明は一切なく、会員らからは「学問の自由を保障する憲法に反する行為」と批判が相次いだ。

 「6人の方が新会員に任命されなかった。初めてのことで、大変驚いた。菅首相あてに文書で説明を求めたが、回答はなかった」

 オンラインを含め、会員ら230人が出席して開かれた1日の日本学術会議の総会。会長を退任した山極寿一・京都大前総長は、あいさつの冒頭でこう切り出した。

 同会議は8月末、政府に105人を推薦していた。しかし、6人が任命されないことを山極氏が知らされたのは9月28日の夜。総会後の取材に、「私たちは理由を付して新会員を推薦したのに、理由をつけずに任命しないという事実がまかり通ってしまったことは大変遺憾。学術にとって非常に重大な問題だ」と話した。

 新会長に選ばれたノーベル賞受賞者の梶田隆章・東京大宇宙線研究所長も、「極めて重要な問題で、しっかり対処していく必要がある」と述べ、6人を任命しなかった理由について菅首相に説明を求めることを検討する、とした。

 6人のうち、小沢隆一・東京慈恵会医科大教授、岡田正則・早稲田大教授、松宮孝明・立命館大教授は1日、梶田会長に、任命拒否の撤回に向け、会議の総力をあげてあたることを求める要請書を手渡した。

 松宮氏には9月29日夕、会議の事務局から突然、「名簿から落ちている」と電話があり、「政府に問い合わせたが、理由は言えないということだった」という趣旨の説明をされた。

 要請書で3氏は、首相から理由の説明がなく、「私たちの研究活動についての評価に基づく任命拒否であれば、憲法23条が保障する学問の自由の重大な侵害」「(任命が首相の意のままになれば)会議の地位、職務上の独立性、権限は、すべて否定されてしまい、学問の自由はこの点においても深刻に侵される」などとしている。

 小沢氏は取材に「私は2015年、安保法制をめぐる国会での中央公聴会で『憲法違反だ』と述べた。仮に、学問上の意見を国会で述べたことが任命拒否につながっているのだとすれば、学問の自由の侵害だ」と話した。

 任命されなかったほかの学者は、政府に対してどのような発言をしてきたのか。

 岡田氏は、米軍普天間飛行場の…

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