斉藤佑介
パパが帰っちゃう日の夕方は、ぜつ望感で一ぱいになる。午後5時に、ぼうさい無線のチャイムが聞こえてくると、だんだん悲しくなる。「泣いていないでご飯を食べなさい」とママは言うけれど、目から、なみだがはみ出ちゃうんだ。
ぼくが住むのは静岡県藤枝市。2才のころから、パパは東京で単身赴任をしている。今まで月2回ぐらいは帰ってきたのに、新型コロナウイルスのせいで3月の終わりからパパと会えなくなった。小学4年生になった4月も、5月もだめ。6月、やっと2日間だけ帰ってきたけど、7月は東京で感せん者がふえ、パパは帰らなかった。
8月8日、ひさしぶりにパパが帰ってきた。ぼくはおうちにかくしておこうと決めた。だれかに見つかれば「あやとのパパが帰ってきてるぞ」と言われそうだったから。
小学1年の時に教えてもらった…
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朝日新聞社会部