常磐道などであおり運転 被告に保護観察付き猶予刑判決

佐々木凌
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 茨城県守谷市常磐道など3県の高速道路であおり運転を繰り返したとして、強要と傷害の罪に問われた住居不定、会社役員宮崎文夫被告(44)の判決が2日、水戸地裁であった。結城剛行裁判長は、懲役2年6カ月、保護観察付き執行猶予4年(求刑懲役3年8カ月)を言い渡した。

 宮崎被告は昨年7~8月、浜松市の東名高速、愛知県岡崎市の新東名高速、常磐道の3カ所であおり運転をしたとして強要罪に問われた。常磐道の事件では、停車させた車の会社員男性(25)の顔を殴り、約1週間の打撲を負わせたとして傷害の罪でも起訴された。

 初公判で、宮崎被告は起訴内容をすべて認め、量刑が争点になった。弁護人は、起訴前の精神鑑定で、宮崎被告が相手に悪意があると疑う傾向がある「パーソナリティー障害」の一種との診断を受けた点などを挙げ、「通院などで治療を受けさせる方が妥当だ」として、執行猶予付きの判決を求めていた。

 常磐道の事件では、あおり運転の状況や男性を殴る様子が記録されたドライブレコーダーの映像が繰り返し報じられ、関心を集めた。宮崎被告の車に同乗し、暴行の模様を携帯電話で撮影していた女性(52)は昨年9月、犯人隠避の罪で罰金30万円の略式命令を受けた。

 事件当時はあおり運転そのものを処罰する法律がなく、罰金刑がある道路交通法違反や暴行罪が適用されるケースが多かったが、検察は3件すべてで罰金刑がなく懲役刑のみとなる強要罪を適用した。(佐々木凌)

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 あおり運転の厳罰化 常磐道の事件では、被告が会社員男性の車を停車させ、暴行を加えるドライブレコーダーの映像が報じられた。2017年に神奈川県の東名高速で、あおり運転を受けた末に一家4人が死傷するなど各地で相次ぐあおり運転の被害に、厳罰化を求める声が高まり、今年6月、道路交通法と自動車運転死傷処罰法が改正された。道交法ではあおり運転を「妨害運転」と位置づけ、急ブレーキやハイビームの継続など対象となる違反を10項目定め、5年以下の懲役か100万円以下の罰金が科せるようになった。自動車運転死傷処罰法の改正では、危険運転致死傷罪(最高刑・懲役20年)に、通行妨害の目的で、走行中の車の前で停車するなど著しく接近する運転などが加わった。