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 人材サービス大手のパソナグループ(東京)が1日に開いた内定式で、同社会長の竹中平蔵氏が講演した。入社予定の学生を前に、コロナ禍で時代を先取る姿勢が大事だと述べ、関係の深かった小泉純一郎元首相からかけられたという「悪名は無名に勝る」という言葉を紹介、笑いを誘う場面もあった。

 式は同社が本社機能の移転を進めている兵庫・淡路島で行われた。内定者のうちの7割も入社後は淡路島のオフィスに配属される予定だ。数カ月単位で地方と都市部を行き来しながら働くことも検討するという。

拡大する写真・図版パソナの内定式で講演した竹中平蔵氏=2020年10月1日、兵庫県淡路市、加茂謙吾撮影

 竹中氏はコロナ禍で日本経済が大きな打撃を受けているとして、「非常時の救国内閣のような形で菅(義偉)内閣が成立した。皆さんは大変な時代の目撃者だ」と述べた。そして、「パソナは早くから女性活躍や地方創生に取り組み、時代が追いついてきた。みなさんも一歩先を行かなければならない」と強調した。

 竹中氏は小泉内閣で経済財政相や総務相などを歴任。2007年にパソナの特別顧問に就任し、09年からは会長を務めている。菅義偉首相との親交も厚い。

拡大する写真・図版淡路島の海が見える会場で開かれたパソナグループの内定式=2020年10月1日、兵庫県淡路市、井手さゆり撮影

 小泉政権下では構造改革に取り組み、労働市場の緩和などを進めたが、格差拡大を招いたとの批判も根強い。竹中氏は自らを批判する声が今もネットであるとしたうえで、「『悪名は無名に勝る』と小泉元総理はなぐさめてくれた」とエピソードを紹介。「フロントランナーは傷を負うが、最初に動いた人に色々な意味で評価や利益が来る。そのことを肝に銘じて」と締めくくった。

 来賓として地方創生に詳しい日本総研の藻谷浩介・主席研究員も講演した。東京の人口密度が世界的にも突出しているというデータを示し、災害発生時のリスクが高いとした。パソナは短期間で都市部と地方を行き来できる人事制度を整えており、藻谷氏は「私は個人で地方に行く人を期待していたが、みなさんは大企業に就職しながら地方と東京を行き来するという選択肢ができている。地球を広く使い、視野を広くして」と呼びかけた。

拡大する写真・図版パソナの内定式で祝辞を述べる日本総研の藻谷浩介主席研究員=2020年10月1日、兵庫県淡路市、加茂謙吾撮影

 内定式では冒頭、淡路島在住の現役社員らが和太鼓の演奏やバレエを披露し、「働きやすさ」をアピールする場面も。南部靖之代表は「全員が君たちの先輩。このすばらしいパフォーマンスは、東京のコンクリートジャングルにいたら難しい」と胸を張った。(加茂謙吾)

拡大する写真・図版竹中平蔵氏=2019年3月26日、都内、山本和生撮影