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 「青年海外協力隊」の創設などに貢献した山形県川西町出身の寒河江善秋が生誕100年を迎えたのを機に、寒河江が作詩を手がけ、福島市出身の古関裕而が作曲した曲を収めたCDが完成した。制作した同町吉田の舩山達郎さん(91)は「良い曲。多くの人に聞いてほしい」と話す。

 町によると、寒河江は戦後間もなく青年団活動を起こし、1951年に若い農家への職業訓練や技術習得を目指す「県産業開発青年隊」を全国に先駆けて結成。また、国交回復前の中国を訪れて民間レベルでの交流に取り組んだり、65年の青年海外協力隊の創設に関わったりしたという。

 寒河江の9歳下にあたる舩山さんは、吉島村青年団(当時)に入団し、団長だった寒河江に出会った。「人を引きつける魅力を持った人」で、寒河江が帰郷する度、国際情勢など寒河江の話を興味深く聞いたと振り返る。

 CD化した曲は「産業開発機械化青年隊の歌」。舩山さんが、自宅書棚にあった日本産業開発青年協会の記念誌「三十五年の歩み」(88年発行)に掲載されているのを見つけた。64年に古関に作曲を依頼したとの記述があり、この頃の曲とみられる。当時はトラクターや田植え機の導入など農業の近代化が進んでいた時期で、それを担う「青年隊」の歌として作られたようだ。

 1番の歌詞には「東の空は燃え 時代のあした 告ぐるとき 伸び行く街に キャタピラの 響きも高くこだまする われらは機械化青年隊」とあり、舩山さんは「国づくりへ向かう師(寒河江)の情熱、ロマンが見える」と説明する。

 今年が寒河江の生誕100年にあたることから、舩山さんは町内や米沢市内の音楽関係者に曲の演奏や歌唱を依頼してCD化した。

 9月23日に寄贈を受けた原田俊二町長は、4番の歌詞の「はるかなる海の果て 世界の友とたづさえて」という部分に注目し、「青年海外協力隊への思いがうかがわれる」と話した。舩山さんは今後、寒河江や古関の子孫らにも贈るという。

 町は今月11日に町交流館あいぱるで開く寒河江の生誕100年の記念講演会でこの曲を披露するほか、あいぱる内の寒河江の紹介コーナーで聴けるようしている。(石井力)

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 〈寒河江善秋(さがえ・ぜんしゅう)〉 1920(大正9)年、吉島村(現在の川西町吉島地区)生まれ。置賜農学校(現在の置賜農業高校)卒。戦後、青年団活動、社会教育運動に励み、53年に日本青年団協議会の副会長。56年、同協議会の中国訪問代表団の団長として訪中。65年、青年海外協力隊の創設では、事務局の立ち上げや隊員の派遣前の訓練などに取り組んだ。77年死去。晩年は東京都八王子市の自宅を「無相庵」と称し、陶芸や俳句、書画に親しんだ。

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