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 絵本を題材に命の大切さを伝える出前授業が2日、和歌山市立加太中学校であった。講師はともに都内在住の絵本作家、夢(む)ら丘実果さんと吉沢誠さん。13年前から全国の学校など700カ所以上を訪ね、取り組みを続けている。

 この日は、同校の全校生徒と教職員33人が出席。夢ら丘さんが絵を描き、吉沢さんが文章を書いた絵本「カーくんと森のなかまたち」を読み聞かせた。内容は、ホシガラスのカーくんが他の鳥と自分を比べて、自分には価値がないと落ち込む。それでも先生に悩みを話したり、友達の鳥たちに自分の良さを教えてもらったりして周囲の愛に気づき、元気を取り戻す、という物語だ。

 夢ら丘さんは幼少期に持病のぜんそくが原因でいじめられたが、先生や友達に支えられて立ち直った経験を持つ。ぜんそくで入院している間、絵本を読み、絵を描いて楽しんでいたという。

 朗読後、夢ら丘さんは「勉強じゃなくてもいい、自分の良いところを知って。そして、相手の良いところは言葉にして伝えてあげてほしい。元気のない人に気付いてあげて」と語りかけた。2年の大石結心(ゆい)さんは「いつも友達に話を聞いてもらっている。次は私が友達の悩みを聞いて、明日も頑張ろうと思ってもらえるようにしたい」と話した。

 20代のころに知人を自殺で亡くした吉沢さんは「同じ思いをさせたくないと活動を続けている。悩みは抱え込まないで、SOSを出してほしい」と呼びかけた。(西岡矩毅)

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